仕事のコツ、仕事の基本、仕事のポイント、役立つ仕事術、仕事の秘訣、仕事の上手なやり方、仕事がうまくいくポイント、仕事ができる人になる方法のサイト

仕事のコツのホームページ>組織力を高めるコツ(2)

 「仕事のコツ、仕事の基本、仕事の秘訣、仕事のポイント」の紹介サイト

 

組織力を高めるコツ(2)
【リーダーの役割】

(1) チームを率いるリーダーは経営と現場をつなぎ、組織とそこに属するメンバーがWin-Winの関係を創り出せるか否かの鍵をにぎる最重要人物である。


(2) 最強の組織力をつくり、支えていく原動力はリーダーにこそあり、強い組織と弱い組織を分ける分岐点は、組織に属するリーダーの能力に大きく依存している


(3) リーダーは結果を出していく「遂行能力」と、環境の変化に合わせ進むべき方向性を正しく把握・修正していく「戦略能力」という2つの組織の能力を向上させることが必要。リーダーがその組織の「遂行能力」と「戦略能力」を支えていかなければ、強い「組織力」をつくりあげていくことはできない。


(4) 中間管理職(リーダー、マネジャー)は上にも下にも横にも影響を与えらえる組織の要である

1) 戦略と現場の両方に関われる
・ 戦略能力と遂行能力の両方に深く関わっている

2) 様々な経験・ネットワークを活かすことができる
・ 新しいアイディアを生み出し、正しい判断を下しながら実践していける

3) 資源配分の最適化を図れる

4) 次世代のリーダーを育てられる
・ リーダーは自らのやり方・考え方を次の若い世代に伝承し、遂行能力や戦略能力を彼ら・彼女らに埋め込んでいける最も重要な立場にいる。


(5) リーダーに求められるものは「やり遂げること」と「人を育てること」である
そのためになにより注意しなければならないのは、自分自身が成長し、魅力あるリーダーであり続けることである。


(6) 「やり遂げる」ために不可欠なポイント

@ ワンランク上で考え、ワンランク下で手足を動かす
A 「聴く力」を鍛える
B 自分の言葉で伝えぬく
C 自らを厳しい環境に立たせる(コミットメントを持つ)
D 「先を読む力」をつける



@ワンランク上・ワンランク下

リーダーは会社の戦略を深く理解したうえで、トップの指示を全体の文脈の中でしっかり把握しなければならない。
そのためにリーダーが常に組織全体の視点から、一段高いレベルに自分を置き、そこから客観的に自らの置かれている立場、これから行おうとしている行動の意味合いを深く考えることは重要だ。
この「ワンランク上の考え」を行うことは、次なるステップの経験を事前に積んでおくことにもつながり、自らの成長を大きく促すことになる。

それと同時に「ワンランク下」に目線を置いて自ら実際に作業に関わっていく姿勢も大切だ。「下が全部やってくれる」という「丸投げ意識」を避けることにより、チームの結束力やメンバーからの信頼を得ることが
できるはずだ。



A「聞く力」を鍛える

正確に「聞く力」をつけることがリーダーには必要だ。
顧客が言うこと、上司が言うこと、メンバーが言うこと、それらすべてを正確に理解する必要がある。そのためには、自分なりに話しを咀嚼しながら聞かなければならない。

「聞く力」を鍛えるためには、まずわかる範囲でかまわないので、自分の頭の中に全体像を構築する。そして、ただ単に相手が話す言葉の表面を理解しようとするだけでなく、相手が伝えたいメッセージは何なのかを意識し、その真意を常に探りながら聞くことが重要となる。

伝える側も、その考えを100%うまく表現できないことが普通だ。常に相手の真意は何か、その裏にあるものは何かを徹底的に聴き取る努力をしなくては、「聞く力」を鍛えることはできない。



B自らの言葉で伝え抜く

「情報の減衰」を止め「力の減衰」を防ぐために、リーダーは伝えることの労力を惜しんではならない。誠心誠意、自らの言葉で伝え抜くことがとくに重要となる。

ただ「自らの言葉で伝え抜く」ためには、避けて通れない困難も多い。メンバー側に力量のバラツキがあると、個々のメンバーのレベルに応じた説明の仕方をしなければならないし、また、業務をスムーズに行うためには、常に整合性のとれた具体的な指示を出す必要がある。



C自らを厳しい環境に立たせる

組織の要であるリーダーにやる気がなければ、メンバーにやる気を起こし、結果を出させることは望むべくもない。
では、自らを厳しい環境に立たせようと思えば、どのようにすればよいのか。
第一に、自分が所属する組織に対してコミットメントを持つことだ。

人は多かれ少なかれ、死ぬまで、こうありたいという理想に近づこうとする生き物である。
組織に対してコミットメントを持つということは、組織の成長や組織の目指しているところと、自分が目指している理想との整合性を見出していくことに他ならない。そして、組織の成長や部下(後輩)の成長を喜び、使命感・達成感を共有することで、さらに組織へのコミットメントは高まっていくのである。



D「先を読む力」をつける

上司の考えの「先を読む」努力をする。リーダーはトップの進化の先を読むことを楽しみつつ、その進化に応えようとする心がけを常に持つべきである。「先を読む力」を身につけることは、先々起こりえることを事前に想定し、無駄な作業を排し、備えを固めることを可能にする。
【なぜ「組織力」が発揮できないのか】

どの職場でもほとんどの場合、単独の個人プレーで仕事をすることは少なく、複数の人が集まってなんらかのチームを作って仕事をしているのではないだろうか。

個人の力がうまく「チーム力」として結実していない、思うように「チーム力」が発揮できない、ということがある。

チームの力が発揮されない、すなわち「力の減衰」が生じる理由は、大きく次の4つに分けることができる。そして、それはリーダーの行動の過程で起きていることを認識する必要がある。

(1) リーダーとメンバー間で情報の減衰が起こる
(2) リーダーがメンバーの力を理解していない
(3) リーダーがメンバーの支援をしない
(4) リーダーがメンバーのやる気を引き出していない
(1)リーダーとメンバー間で情報の減衰が起こる

メンバーに十分必要な情報を理解させていない、また、その仕事をしなければならない理由や背景、意味や全体像について説明を行わない、その結果、その仕事の本来の目的や重要性、緊急度に関してメンバーが正しく理解できず、求められるアウトプットの水準に達しなかったり、誤った判断をして的外れな行動をとったりすることになってしまう。

また、背景・目的を十分メンバーに理解させないまま、メンバーに作業だけを行わせた場合は、当然、メンバーのモチベーションも上がらない。そして、そのような状態からはよい結果が生まれるはずもない。
このように「情報の減衰」はそのままチームの「力の減衰」に直接的に影響を与えてしまう。



(2)リーダーがメンバーの力を理解していない

リーダーがメンバー一人ひとりの力を十分理解していない、というのも「力の減衰」が起こり「チーム力」が発揮されない原因になりうる。

人にはそれぞれ得手不得手がある。チームを構成する意味は、各人が持つ強みを活かし、互いに助け合いながら一人ではできないことをみんなで達成していくところにある。

しかし、リーダーがメンバー一人ひとりの力を十分理解しないまま、タスクを割り振ったら、メンバーの強みを引き出したり、相乗効果を生み出したりすることは難しい。
下手をするとチーム内に不協和音を生み出し、1+1が2以下になってしまうことも十分有り得る。



(3)リーダーがメンバーの支援をしない

メンバーにタスクをやり遂げさせるための支援をしない、あるいは、メンバーの自発性を重んじない、というのも「チーム力」を妨げる大きな要因になりうる。

リーダーがメンバーの支援をしないということは、活動のフォローアップができていないということだ。
優秀な人間なら、自分が何で困っているかを客観的に把握し、適切に支援を求めることができるが、それができないメンバーも存在する。

リーダーはチームの力を引き出すためにも、誰が何に困っているのかを察知し、メンバーから求められなくても、必要に応じて手をさしのべるべきである。

メンバー各自がやり遂げるとういうことなしに、個人の学習・成長はない。個人の学習・成長なくしては、チームとしての強みは醸成されていかない。



(4)リーダーがメンバーのやる気を引き出していない

リーダーはメンバーのやる気を引き出さなければならない。もしそれができていないのであれば、それは「チーム力」を低下させる大きな要因になる。

「やる気を引き出す」といえばすぐに金銭的報酬に話しが行きがちだが、金銭的報酬だけが全てではない。たとえば「認められたい」という思いは、各人が意識している以上に大きいものである。

それは人のモチベーションに非常に大きな影響を与える。
何かをやり遂げた時のリーダーからのさりげない感謝の一言、大勢の前でのちょっとした賞賛を、誰もが1つや2つ、心地よい思い出とて持っているのではないだろうか。

リーダーのちょっとした人に対する気配りが「チームの力」を生かしも殺しもする。


 
【遂行能力の高め方】

実際に業務を完遂していくためには、リーダーはそれを明確なプロセスとして行っていかなければならない。
そのプロセスはまさに、戦略を具体的なオペレーションへと落とし込み、実際にメンバーを動かしていく手順である。

(1)完遂のためのステップ

リーダーが業務を完遂するプロセスには、おおよそ次の5つのステップがある。

1) 目的を深く理解する
2) 確実に伝える
3) 具体的な目標・活動に落とし込む
4) 遂行させる
5) 完了を見届ける
1) 目的を深く理解する

「何を行うか」よりも「なぜ、それを行うのか」「どのような結果を出せば目的を達成したことになるのか」をしっかり理解することが重要


2) 確実に伝える

「自らの言葉で伝えぬく」を実践する
メンバーの意見を聞き、共有し、納得させることがメンバーを確実に動かすことにもつながり、使命感を持って物事に当たらせることにつながる。
突然「会社の決定です」と伝えられるのと決定に至る「背景」を説明した上で伝えるのとではその後のチームのコミットメントが大きく異なる。

実は、確実に伝えられたかどうかは、その後の結果を大きく左右することになる。
背景をきっちり説明し、メンバーの質問に答えることで、部下(後輩)に「信頼とコミットメント」が生まれる。
その結果、自発的に協力するメンバーが生まれる。そして、自発的な協力は「期待を超える」成果を出すことに繋がる。


3) 具体的な目標・活動に落とし込む

具体的な目標・活動に落とし込むステップは、達成すべき目的をチームの誰がいつまでに何をどうやるかといった項目にかみ砕き、具体的なワークプランへと翻訳する作業である。そのためには、自らのチームの強み・弱みを知っていることが必要。

やり遂げるという職責を負っているリーダーとしては、最悪のケースを想定して、自己責任のもと、対応策を準備しておくことも重要。

最後は自分がひと肌脱ぐといういった気概は常に持っておくべきだ。


4) 遂行させる

「遂行させる」段階においては、決してメンバーに仕事を丸投げせず、絶えずチームメンバーの間を歩き回り、会話をし、メンバーがどんな状況に置かれているかを常に把握する必要がある。

それと同時に「仕事のスピードと質へのこだわり」も求めていく。目標を高く設定し、メンバーにも多少の無理をさせる。

そして、それを支援しつつ成功させる。
それがメンバーの自信にもつながっていく。

一流の仕事の質を求め、一流の仕事を達成することへの爽快感を味わうことが、メンバーの資質を高めていくことになる。



5) 完了を見届ける

「完了を見届ける」ステップは、たとえて言うと「描いた龍に眼を入れる」ステップであり、これがきちんと行われてはじめてひとつの業務が完了する。

完了したことを見届けずに、別のことへと進んでいくと、すべてが中途半端になる。
この完了を見届けるということは、メンバーに対してフィードバックをする、また感謝の意を表す絶好の場であることを忘れてはいけない。

完遂のために必要な心得をしっかり理解し、この5つのステップを着実に実践していける「完遂力」を持ったリーダーがチームを率いてこそ、現場におけるやり遂げる力が発揮される。
このようなチームが組織内に多く存在することによって、結果として組織の「遂行能力」そのものが高まり、「組織力」の構成要素のひとつである「遂行能力」の第一段階「完遂する組織」が達成される。
【減衰から増幅へ:期待を超える組織】

人が介在する限り組織力を低下させる「減衰」を完全に防ぐことはできないが、「減衰」以上の「増幅」を起こせば、結果的に期待を超える力を発揮することができるはずである。

いいかえれば、「やらされる組織」から「成果を請け負い、自ら目標を設定し、さらにそれを超えていく組織」を目指せばよいことになる。

これこそが、「完遂する組織」から「期待を超える組織」へのさらなるステップなのだ。

そして、リーダーシップのあり方は「完遂力」を発揮するところから「人を育て期待を超えさせる力」を発揮させるリーダーシップへと一段上のステップアップが求められることになる。
  
<<●組織力を高めるコツ(1)|●組織力を高めるコツ(3)>>



このページの上へ戻る

仕事のコツのホームページ>組織力を高めるコツ(2)


inserted by FC2 system