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コーチングのコツ
1.コーチングとは何か


コーチング⇒「個人の自己実現をサポートするシステム」

● 自己実現・・・その人が本来持っている能力や可能性を最大限に発揮すること

● サポートとヘルプの違い・・・「ヘルプ」とは「助けを求めている人」が「無力」で、助ける人と助けられる人の関係は「支配・従属的」。一方、サポートは「助けを求めている人」は「有力」で両者の関係は「協働的」。

上からひっぱるのではなく、もともと力のある人を下から支えて、その人が持っている能力や可能性をさらに発揮できるよう支援する。


● コーチングというシステム・・・コーチング=技術+考え方+人間関係

さらに、コーチングの3つの哲学に基づいている

(1) 人は皆、無限の可能性を持っている

(2) その人が必要とする答えは、全てその人の中にある

(3) その答えを見つけるためには、パートナーが必要である



●3つの哲学

(1)人は皆、無限の可能性を持っている

私たちが今、発揮している以上の能力や可能性をもともと持っていることを前提としている。

この哲学には、実はコーチングと従来の操作主義的なマネジメントとを画す重大なポイントが含まれている。

それは両者の「人間観」の違いである。



● マグレガーのX理論とY理論

・ 性悪説のX理論
人は基本的に怠惰である。

・ 性善説のY理論
人は基本的に勤勉である。

コーチングではY理論に立っている



(2)その人が必要とする答えは、全てその人の中にある

「答えがその人の中にある」と言っても、本人が「知っている」とは限らない。

多くの場合、その答えはその人の中に「眠っている」。


なぜ「眠っている」のかと言えば、それは多くの人が「答えは自分の中にある」ということ自体を信じていないからである。

コーチができることは、その人の中にある答えを「引き出す」ことだけ。



(3)その答えを見つけるためには、パートナーが必要である

コーチは自分が答えだと思うことを相手に「与える」のではなく、むしろ相手の中にある答えを「引き出す」という役割を担っている。

では、具体的にはどうやって相手の中にある答えを引き出してあげればいいのだろうか?

それが、相手に対して「問いを投げかける」ということなのである。


● 問いは意識の矢印を内側にむける


「あなたが、もし、この研修に出ていなかったら、今ごろ、どこで何をしていますか?」

このように不意に質問されると、人は無条件に内側に思考が向く。

問いは意識を外から内に向けるだけでなく、それまでとは全く関係の無い方向に向ける力もある。

コーチとしては、相手の自分の中にある答えを見つけられるよう、繰り返し問いを投げかけることでサポートする必要がある。

コーチング的に表現するなら、「考える」とは「問いを投げかけることで、意識の矢印を潜在意識に向け、そこにある答えを拾ってくる一連のプロセスである」と言える。


2.コーチングの基本スキル

コーチングの5つの基本スキル

(1) 質問スキル

(2) 傾聴のスキル

(3) 直感のスキル

(4) 自己管理のスキル

(5) 確認のスキル




(1) 質問のスキル

上司が部下をコーチングしていく中で是非知っておいたほうがよい3種類の質問

● 3種類の質問スキル

1)拡大質問

2)未来質問

3)肯定質問


1) 拡大質問と特定質問

・特定質問の例
「きみは今年で入社何年目だったかな?」
「今日は何日だっけ?」
「きみは中途入社だったかな?」

・拡大質問の例
「きみは将来、何をやりたいの?」
「きみにとって一番大事なことは何?」

コーチングで使用するのは、後者。

なぜなら、同じ問いでも拡大質問の方が特定質問に比べて、潜在意識のより深いところまで意識の矢印を向けることができるからである。



2) 未来質問と過去質問

・ 過去質問の例
「これまでどうだったのか?」
「どうしてそれをやらなかったのか?」

・未来質問の例
「これからどうしたい?」
「それをやるにはどうしたらいいのか?」

質問のスキルというのは、部下の持つ可能性を引き出すためのものだと述べたが、そもそも「可能性」とはどこに宿るものだろうか?

可能性とは、「将来的にそうなる、あるいは、そうできる性質」のことを言う。つまり、それは時間軸で見た場合に、現在から未来に至る「未来形」の中に存在する。
従って、部下の可能性を引き出すためには、部下の意識の矢印を過去ではなく、未来の方に向ける必要がある。

一方、過去質問によって出てくるのは、ほとんどが部下の「記憶」に属するものである。
例えば「あの時ダメだったから、きっと今度もダメだろう」といった表現をする人がいるが、これはまさに記憶がその人の可能性を限定してしまっている典型である。



3) 肯定質問と否定質問

・否定質問の例・・・否定形の言葉を含んでいる
「どうしてうまくいかないのか?」
「何がはっきりしないのか?」

・肯定質問の例
「どうしたらうまくいくのか?」
「何がはっきりしているのか?」

どちらの質問のほうが印象が良いか?

これは、問いを投げかけられた部下の意識が、それによってどちらの方向へ向くのかということと大いに関係がある。
問いを投げかけられた部下の意識としては「うまくいく」あるいは「はっきりする」方を向きたいのに、投げかけられた問いが反対の「うまくいかない」あるいは「はっきりしない」という言葉を含んでいると、部下の意識はその問いに忠実に反応してしまい、「うまくいかない」方、あるいは「はっきりしない」方を向いてしまう。

否定質問によって部下の望んでいる方向とは異なる方向に意識を向けてしまうと、結果的には部下が必要とする答えが得られない確率が高くなる。

 
(2) 傾聴のスキル

ここでは、どのような話の聞き方をすれば部下の可能性を最大限に引き出せるかがポイントとなる。

●3つのレベル

コーチングでは、話の聞き方を3つのレベルで捉えている。

1) 耳で聞く
2) 口で訊く
3) 心で聴く

部下の育成には3)の部下の話を心で聴く、ということが必要になる。


1)耳で聞く

部下の声が耳に音声として入っていたとしても、必ずしも「内容」が上司に伝わっているとは限らない。
部下の話をしている内容が上司に伝わるためには、まず受け皿としての上司の頭の中が空っぽでなければならない。
ところが、多くの場合、部下の話を聞いている上司の頭の中は「余計なもの」でいっぱいになっている。

「余計なもの」・・・雑念、邪念、固定観念、先入観、等など。

まずは意識の矢印を部下に向けるよう心がけることがポイントとなる。


2)部下の話を口で訊く

ただ「聞く」のではなく、質問のスキルを使って積極的に部下に働きかけていく必要がある。


このように、部下の話を聞くに際して、上司が耳だけでなく口を使うということは、部下に対して「僕はきみの話をちゃんと聞いているよ」ということを示す1つのサインとなる。

しかも、それが質問形であった場合には、部下は上司が自分の話に関心を持ってくれているという印象を持ち、ますます口も滑らかになるだろう。

ただ、ここで忘れていけないのは、そもそも「誰のために話を聞いているのか」ということだ。
質問しているからといっても、部下の話とは全く関係の無いものばかりだとしたら、これは「自分のために話を聞いている」という状態である。

たとえば、就職の面接やマスコミによるインタビューが、これに該当する。
コーチングで求められるのは「相手のために話を聞く」ことである。


3)部下の話を心で聴く

上司は部下の話に対して耳と口だけでなく心を使う必要がある。コーチングで言う「傾聴のスキル」とは、このように耳・口・心のすべてを使った話の聞き方を指す。

では、「部下の話を心で聴く」とは、いったいどういうことなのだろう?
具体的には、「どうしたら部下が本来持っている力を最大限に発揮し、成長することができるだろうか」ということを念頭に置きながら、部下の話を聞くことである。

この時、注意しなければいけないのは、部下が成長するための答えを用意するのは上司ではないということだ。
答えを見つけるのはあくまでも部下本人であって、上司はただ部下が答えを見つけやすくするように、問いによってサポートすることしかできない。


■コーチングに必要なスキル(2)

(3)直観のスキル

「傾聴スキル」のところで、部下の可能性を引き出すためには「部下の聞いてほしいことを聴く」必要があると述べた。

しかし、実際にどうしたら部下の聞いてほしいことが聞けるのか?

ここで出てくるのが「直観」である。

直観と言うと、「いい加減」で「あてにならないもの」といったイメージを持つ方も多いだろうが、実は直感ほどコーチングで「あてになるもの」はない。


コーチングをしている時、上司の目的は、部下に問いを投げかけることで、部下の潜在意識にある答えを引き出すことにある。

一方、上司の直感は、上司の潜在意識にある。


ここは心理学用語で「普遍的無意識」と呼ばれている。

では、もしこのように、普遍的無意識を介して上司と部下の意識が互いにつながっているとしたら、上司の意識のうち、答えの部分に一番近いのはどこだろう?

それは、上司の潜在意識である。

では、反対に答えから最も遠い部分はどこだろう?

それは、上司の顕在意識である。


直観のスキルのポイントは3つある。

1) 考えない

2) 予測しない

3) リードしない


1)考えない

「考える」⇒「次はどんな質問をすればいいのだろう?」「果たして本当にこの部下の中から答えは出てくるのだろうか?」
もし、上司が一生懸命頭を働かせて考えている時、上司の意識の矢印は部下のほうではなく、上司自身の方を向いている。
上司の意識がこのような状態の時は、部下が何を聞いてほしいのかはなかなか分からない。

また、「上司が考えている」ということは、その分、「部下が考えていない」ことを意味する。
従って、この時、上司はむしろ部下の「考えている」ことを「邪魔しない」ようにすることが大切である。
そのためには、「問いかける」ことだ。

もし「どうすればいいですか?」と部下が言ってきたら、あなたは「君はどうすればいいと思う?」と聞き返すわけだ。



2)予測しない

上司がコーチングの展開や結末を予測できたということは、とりもなおさず、そこで出てきた答えが部下の潜在意識からではなく、上司の顕在意識やある意図から出てきた可能性が高いということである。それでは残念ながら、コーチングをしていることにはならない。



3)リードしない

「自分がいい質問をして部下に気付かせてやらなければならない」というふうに謝った解釈をしてしまいがちである。
これは言うまでもなく「上司が答えを知っていて、部下は答えを持っていない」という上司本位の考え方から出てくる発想である。

コーチングにおいては、上司が部下を「リードする」のではなく、むしろ「フォローする」ことが大事になる(ツイッターみたいだ)。

フォローとは「上司が聞きたいことを聞くのではなく、部下の聞いて欲しいことを聞く」ということである。
部下は、実は心の深い部分では自分がその時、何を聞いてほしいのかを知っている。
部下は「自分はいったい今、何を上司に聞いて欲しいのか?」という答えも持っている。

そして、そのヒントはたいがい、部下がその直前に言ったことの中にある。

たとえば上司が「君はどういうことがやりたいんだね?」と聞いたとしよう。
それに対して、部下が「それがあまりはっきりしていないんです。」と答えたとする。
そこで、あなたが上司なら次にどんなことを言うだろう?

フォローするというのは、たとえば「じゃ、何かはっきりしていることはあるのかい?」とか「どこをはっきりさせたいんだね?」といった問いを投げかけることである。

このように、部下の直前の答えと上司の問いの間には何らかの「つながり」がなければならない。

突然ある問いがひらめいたといって、それまでの話とは何の脈絡もない、まったくとんちんかんなことを聞くのが、直観を使うということではない。

この例で言えば、部下が直前に言った「はっきりしていない」という言葉が、次に上司が何を聞けばいいかのヒントを示してくれているわけである。

もし、この時、上司の意識の矢印が部下の方に向いていれば、「それがあまりはっきりしていないんです」という部下の発言の中に、「できればそれをはっきりさせたい」という部下の意向が感じ取れることであろう。

もし、どうしても何を聞いたらいいか分からない場合は、「今、君は何を聞いてほしいのかね?」と部下に聞いてしまえばいいのである。
なぜなら、求めている答えがすべて部下の中にある以上、何を聞くか困った時には、その部下本人に聞くのが一番確実だからである。
そんな時、いくら自分の頭の中をひっくり返してみても、残念ながら答えはいつまでたっても出てこない。

  
 ●コーチングのコツ(2)>>



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